ムルティプラのマニュアルシフトってどうなのか

 

ムルティプラに限らないが、マニュアルシフトのクルマは、駆動力のダイレクト感と、クラッチを切ったときの空走感に、なんとも言えない心地よさを覚える。シフトを操る楽しさもある。

ムルティプラのシフトレバーはハンドルのすぐ左に位置する。運転席の左隣りは中央席だからシフトレバーはフロアから出すわけにいかない。この位置が必然なのである。


ステアリングのリム中心からシフトノブの中心までの距離(左手のグリップの中心間移動距離)は最も遠い1速で17センチ、リバースなら10センチくらいだ。ギアによってはハンドルに親指をかけながらシフトレバーに小指がかけられる。シフトレバーが近いので、せっせとシフトチェンジに勤しむことができる。


しかし、1速、3速、5速に入れるときに、左手は伸びた状態になり、しかもほぼ水平を維持しなければならない。これがちょっとした苦痛なのだ。特に1速では肘がほぼ伸びきった状態になってしまう。肘の伸び具合は、ニュートラルあたりまでなら問題ないし、偶数ギアなら肘が落とせてリラックスできる。

 

さらに具合が悪いことに、クラッチを踏み込む左足は斜め前方に移動させなければならないので、奇数ギアに入れるときは左側の手と足が前に伸び、左半身に力が片寄った状態になってしまう。
 

 (写真は左上から右へ、1速~5速、右下リバース)

 

つまり、前進のシフトレバー操作のうち、5分の3(半分以上)は不自然な体の動きを強いられるわけだ。

ムルを運転していて、なんとなく「作業感」があるのはそういうことなのか。

シフトレバーの可動範囲はもう少し手前に持ってきたい。見ての通り、奇数ギアに入れた状態では空調ダイアルが操作しづらい。かと言って、あまり手前に持ってくると肘が隣の乗員と干渉することにもなる。奇数ギアと偶数ギアの移動を、奥行方向ではなく上下方向にするという手もあるが、これもやり過ぎると手首に負担がかかることになる。

シフトレバー操作の違和感は、ムルティプラを操っているという高揚感に打ち消されがちだ。意外とスポーティに走るとか、景色が大きなガラス越しに見えるとか、すぐ隣に人が座っているとか、そういった日常からの逸脱感が脳内を支配し、運転中の多少のことは気にならなくなっていく。

これはいいことなのか、よくないことなのか。いずれにしてもムルティプラマジックであることは間違いない。

 

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コメント: 1
  • #1

    五代 (金曜日, 15 1月 2021 00:24)

    シフトノブの素材の感触が固すぎず柔らかすぎずイイ塩梅に感じます。自作木製球体ノブを操作することを思うと快適に思えます。若干の撓みが操作感を増幅しているのでしょうか。